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第58回シンポジウム

第58回 シンポジウム

輸送包装の基礎と最新の技術動向
ー輸送中に起こっていることを正しく理解し、包装の役割を考えるー
輸送のための包装設計は、経験により対応することは十分可能です。しかし、これでは何かトラブルが生じた場合に解決することは難しく、今後必要となる環境問題や資源保護、コスト低減など様々な要求に適切に対応することができません。本シンポジウムでは、輸送包装の現場で起こっているトラブル事例、輸送環境調査、試験規格をはじめ、段ボールの基礎や研究事例など紹介していただき、科学的な見地から議論していただく予定にしています。
担当幹事:石川 豊((独)農研機構食品総合研究所)、石原 智幸(吉野工業所)

日時 :平成24年6月15日(金) 9:50〜16:50
主催 :日本包装学会
協賛 :(社)日本包装技術協会
後援 :日本食品包装協会、軟包装衛生協議会、日本接着学会、日本食品科学工学会、農産物流通技術研究会
会場:きゅりあん 6F 大会議室 (東京都品川区東大井5-18-1(JR大井町駅前) →地図を表示
〒140-0011 東京都品川区東大井5-18-11(JR大井町駅前)  電話: 03 (5479) 4100

プログラム:

9:50〜10:50 「海外で求められる輸送包装試験規格について」
エクサーチLLC 高木 雅広 氏
新興国をはじめマーケットが多様化するにつれて、地域によってさまざまな試験規格での輸送包装評価が求められている。それらには、どのような方法・条件があり、またどのように異なるのだろうか?海外の主要な輸送包装試験規格について比較を行い、JISとの違いについても説明する。
11:00〜12:00 「輸送環境から見る事故対応事例」
 
株式会社日通総合研究所 物流技術環境部 中嶋 理志 氏
運ぶという手段は@自動車輸送A海上輸送B航空機輸送C鉄道輸送の4種類の方法がある。これら輸送モードはそれぞれに特徴的な輸送環境があり、そこで起こる事故原因も多種多様である。 ここでは各輸送モードの輸送環境を挙げ、その特徴と事故対応事例を示す。
13:00〜14:30 「輸送包装科学のススメ」
 
神戸大学輸送包装研究室 教授 斎藤 勝彦 氏
輸送包装分野は、現場対応によりその都度改良が加えられてきた技能的性格が強く、科学的研究成果から体系化されているとは言い難い。包装は包まれるモノを開発・生産・管理する分野との密接な関係によって成り立っており、それらの分野は、大学院レベルの高等教育機関を中心に実施されている科学的研究成果が生かされている。ここでは主に暗黙知として伝承されてきた輸送包装分野を科学的に見つめ直し、次世代の輸送包装技術の発展のために形式知として体系化していくための道筋を述べたい。
14:40〜15:40 「包装設計のための輸送環境調査における取り組み」
 
神栄テクノロジー株式会社 川口 和晃 氏
緩衝包装の適正化を実現するためには、実輸送中に発生する振動・衝撃ストレスを計測し、実情に沿った包装試験規格を導入する必要があります。ここでは輸送ストレスデータを計測するための輸送環境記録計の紹介とともに、得られた輸送振動データの解析手法に関する取り組みについて説明します。
15:50〜16:50 「段ボール箱の圧縮強度に関する最近の研究事例」
 
レンゴー株式会社 パッケージ開発センター 東山 哲 氏
適切な段ボール材質設定のためには、段ボール箱の圧縮強度を正しく把握する必要があるが、倉庫環境や積載条件などが圧縮強度に大きく影響を及ぼす。そのため、圧縮荷重に対する段ボールの基本的な挙動や、含水分や積み方の影響を詳しく調査する必要がある。本講演では、当社における最近の研究事例を紹介する。