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第49回 −医薬品包装に求められる機能について考えるー

医薬品包装に求められる3大機能は@保護性・安全性A情報伝達B使用便利性といわれております。医薬品が正しく使われるための包装の役割は、これらの機能を充足した製品を提供し、薬の適正使用に貢献することであります。今回医薬品の適正使用や医療の安全を考える上で、医薬品包装の機能について、専門分野の研究者、医療従事者からの具体例を踏まえた提言ならびに海外の医薬品包装の最新情報、包装資材の品質基準について紹介していただくこととしました。

担当幹事:前原 隆(第一三共プロファーマ) 鈴木 豊明(藤森工業)、内野 靖弘(医薬包装コンサルタント)

日時 : 平成21年6月3日(水) 10:00〜16:40
主催 :日本包装学会
協賛 :(社)日本包装技術協会
後援 :日本食品包装研究協会、軟包装衛生協議会、日本接着学会、日本食品科学工学会
会場:きゅりあん 6F 大会議室

プログラム:

10:00〜11:10 「認知的視点から見た医薬品包装のデザインと医療の安全」
法政大学 社会学部 教授 原田悦子氏

医薬品包装は、人が医薬品を用いるための「道具」であり「メディア」である。本質的に「危険を伴う」医薬品を、人が安全に取り扱うことができる包装とはどのようなものだろうか。ここでは、人とモノとの相互作用の分析を行う認知工学の視点から「使用安全のための包装デザイン」を考えたい。

11:20〜12:20 「看護師のヒューマンエラー対策と注射薬の剤形」
武蔵野赤十字病院医療安全推進室 専従リスクマネジャー
 看護師長 杉山良子氏

注射薬の中には、使用方法を間違えると患者の生命に危機状態を引き起こすものが少なくない。看護師による注射業務上のヒューマンエラーを防ぐためには、注射業務のプロセスを直視した対応策が必要となる。ヒューマンエラー対策として近年めざましく改良が加えられている注射薬の剤形について検証し、今後を展望する。

13:20〜14:20 「3極(日、米、欧)における包装資材の品質基準と留意点」
 
元医薬品医療機器総合機構GMPエキスパート 人見英明氏

医薬品承認申請資料の調和を図るためCTDが合意され、包装資材の申請時の添付資料についても,3極の規制当局に対して受け入れ可能な様式で提供されることになった。しかし、添付資料の内容等については相違点があり、更なる国際調和が望まれている。一方、製品の品質保証においては包装資材のGMPの重要性が増大してきている。

14:30〜15:30 「海外の主流な表示・包装規格の最新情報と3極の差」
アストラゼネカ(株)医薬情報部 高池敏夫氏

医療医薬品の容器包装については、使用される国の法規制等の様々に影響を受けている。 法規制等の相違を考慮しない本邦への安易な導入は,却って「投薬過誤」の原因となる場合が ある。日米欧3極の法規制等の相違と容器包装への影響、導入にあたっての留意点を紹介する。 
15:40〜16:40 「医薬品のユニバーサルデザインと海外の包装事情」
〜患者の視点を取り入れた医薬品包装設計の展望〜
田辺三菱製薬(株)経営戦略部 中川祥子氏

医薬品包装の役割は年々高度化している。品質保証や流通面だけでなく幼児の誤飲防止や高齢者が容易に薬を理解できる構造をもつ包装設計など幅広い視野をもった取り組みが求められる。わが国でユニバーサルデザインを志向しグッドデザイン賞を受賞した「ユニバーサルPTP®」 開発事例と法規制もふまえ新しい包装設計に積極的な海外事情を紹介する。